午後3時、優雅なティータイム。ティーカップは今日の気分に合わせて食べ終わったカップヌードルの容器をチョイス。
どうも、
何処かへ置き忘れた大切な何かに捜索願いを出す時が来た!
RAGDOLLSドラム大倉です。
ライブ前の過ごし方
今回はライブで緊張しないためにRAGDOLLSがやってきたライブ前の過ごし方についてお話させて頂こうと思います。
ライブは大概夜からなので、逆リハになると一回家に帰ろうかぐらい時間が空いたりするのですが、当時誰も仙台に住んでなかったラグドールズは
往復一時間以上かけてまた来るのが面倒でライブハウスの近くを特に目的もなくウロウロしたりしてました。そんな時せっかくバンドメンバー全員いるんだから
ライブで緊張せず最高のパフォーマンスを発揮するためにこの時間を有効に使おう
と思い付きのお試しが始まったわけです。
まず当然、注目され人前で歌うことに喜びを感じるドンとこい視線のオーバーロード、ボーカルレイニー鈴木は早々にこの課題をクリア。
クリアと言うかハナから緊張など歯牙にもかけない。
「いや、俺も緊張してるぞ」
とよく青白い顔で言ってましたが、
自分に自信がないと周囲に言い散らかしながら出所不明の勇気で夢だったアイドルオーディションを受けてしまう種類の、
緊張を無意識にプラスに変えるむしろ望むところだ人間
に私が感じる俗な緊張は永遠にわからないのでしょう。ボーカル鈴木が感じる緊張はヒーローになるか最後のバッターになるかの緊張。
私が感じる緊張は捕れば甲子園、落とせば引っ越しの凡フライが自分に上がった緊張。芸能人が言う
「自分は凄いあがり症で人見知り」
は本人至って本気ですからね。
ボーカル鈴木がライブでドラム担当
私が加入する前一度だけボーカル鈴木がライブでドラム担当したこともあるんですが、しかたなく引き受けたものの、内心激烈に不本意だったらしく
「俺はお前らの咬ませ犬じゃねぇ!」
と凄まじいスピードで曲を消化、持ち時間50分のライブを正味25分で終わらせてしまう圧巻のドラミングを披露してました。
鈴木は普段いい人のマスクを被っているのでめったに怒りませんが、この時ばかりはボーカリストの矜持か腹に据えかねたんでしょう。
私は昔、鈴木の家で大皿に盛られたエビフライを尻尾まで美味しく頂いて
「尻尾まで食べたら・・・・何本食べたかわからんでしょうが!」
と、えらい剣幕のレイニー五郎に怒られたことありますけどね。
大倉がラグドールズに加入
しかしそのたった一回のドラマー経験がよっぽど嫌だった証として、まったくドラムどころかなんの楽器の経験もない私大倉がラグドールズに加入することになるわけですから人生わからないもんです。思い出しますね、
スタジオでボーカル鈴木と二人、延々とデヴィッド・ボウイのスターマン!
スターマンに次ぐスターマン。そしてスターマンに次ぐスターマン。さらにスターマンに次ぐスターマン。
これを鈴木に教えられながらひたすら演奏?したのが私のスタジオ初生ドラム。ちなみにベース松本にリズム隊としてお前がドラムに求める最も重要な物は何か、試みに訊いたことあるんですけど
「・・・・・表情?」だそうです。そこはさすがに音であれよ。
確かに海外のロックドラマー顔かましてる人いますけどね、それでいてYouTubeの技術解説では「何よりも力を抜くことが大切だ」って穏やかに教え諭してますから要約すると
「やってる感はたっぷり出しながらもダルッダルに力は抜け」
ってことですか。う~ん難しい。仕事ではできているのに。
ボーカル鈴木に残された問題
そんなこんなでボーカル鈴木に残された問題はMCだけになったのですが、長年の憧憬は想像以上に恐ろしく鈴木に食い込んでまして、どうしてもいかんせん、
言葉に詰まると出てしまう100パーセント猪木。。。
もうやりきるしかないのかもしれませんが、何十年もしがんでんだからこの道を行けばどうなるものか、危ぶめよ。行かなくてもわかんだろ。
先日のリレー・フォー・ライフ・ジャパン2025みたいに曲間に語るのはいいんですけどね、アドリブになったとたん元気にしゃくれるのは困ったもんです。まぁ味か。
斎藤がRAG DOLLで他3人がs
ギター斎藤も当時からそこまで緊張するタイプじゃありませんでしたが、
もっと爆発的にライブを盛り上げ観客動員数を増やすにはどうするか?
的な向上心は人一倍あったので、このライブ前の過ごし方に限らず新たな挑戦企画はほとんど全部斎藤が出してましたね。
バンド演奏力の底上げ、次々作る新曲、アレンジ、ライブ構成の模索、他バンドとの繋がり、打ち上げの重要性、イベントへの参加、メディアへの応募、他県への遠征、定期的なライブ開催、CD作成となかなかに精力的で、当時よく言ってた
「斎藤がRAG DOLLで他3人がs」
は何のことはないただの真実です。
斎藤がやったライブの緊張緩和策として覚えてるのは
「酒をガブガブ飲む」
がダントツですね。わかりやすく気が大きくなってライブも盛り上がるだろうと思ったんですが、今と違って昔はギター斎藤、演奏中に回転したりしてたので
酔いが凄いことになって回転しながらステージから落ちかかったり、演奏もどこがなにだかわからなくなったりシンバル殴って流血したり散々で、
これはダメだ、やめよう。。。
ってことになりました。
逆パターンとして「全員サウナ」もやったんですが、汗と一緒にやる気系の衝動も流れ出てさっぱりしてさっぱりになるからボツ。
「カラオケで寝る」は疲れも取れないし緊張も取れない。いっそ歌うかとシラフで歌ってもベース松本の歌を他3人無言で聴くって座禅感が凄い。
ただ所詮斎藤もギタリストですからね、緊張突き詰めればボーカル鈴木と五十歩百歩。
遊園地楽しめる人間にこっち側の恐怖が真に伝わることはない!
がっちがちに緊張する深刻なやつ
そして私ドラム大倉あたりから、がっちがちに緊張する深刻なやつになります。中でもいまだに困るのが手汗なんですよね、
緊張すると出て滑るし手袋するとそれはそれでやりにくいし予備のスティックあるからってスティックバンバン落とすのもよくないし
練習と本番に違いが出ないようにしようにも練習は緊張しないから手汗も出ないし滑らないからなんとも対策できないし慣れもしない。
さらに面倒なのがスティックってギュっと持てないんですよ、基本ゆるく握って弾ませないと叩けないんです。
そこで私もギター斎藤と同時期に「酒をガブガブ飲む」作戦やったんですが、これがねぇ、
気持ちよくは叩けないと言うか急激に気持ち悪くなる。。。
なにしろお酒を大量に飲んでグリングリン頭振り続けてる状態なわけで、ライブ後半は抑えきれない感動が喉元までせりあがって来ました。
もしアンコールがあったらドラムを使わないドラムソロが飛び出す伝説のライブになったかもしれません。
なぜ自分は練習と同じことが本番でこんなにも出来ないのか、実力を発揮するにはどうすればいいのか真剣に悩んだ時期もありましたが、ライブ打ち上げでベース松本が言った
「本番で実力が出せなかったなんてことはねーんだよ、本番で出せたのが実力なんだから」
でそりゃそーかとだいぶ気が楽になりました。
松本がごくまれに良いこと言っても効果の九割を無効化するスキル「よりにもよってお前が言うな」の発動条件を満たしてしまうので、金言も妄言戯言に堕してもったいないような自業自得なような。
それと私としてはお礼のつもりでベロベロの松本がチューしろチューしろしつこいのでチューしてやったら
「ほんとにはすんな!」と怒髪天衝く勢いでブチ切れられたの納得いきません!
そして本日の主役
さぁそして、本日の主役がここで仕切り直しの再登場。風林火山の山だけを旗印にするド緊ちゃん、世界で最もロックされたベーシスト、マッピー松本。
どこから話していいのか迷うのはあまりにも全てが同じだから。そして緊張以前に大ベテランのチューニングが合ってないのはギャップ萌えってことにはならないから注意が必要だ。
十数年ぶりにスタジオ入った時ベースがピカピカだったから
実はトレーニングを欠かしてなかったのか?
と期待したけどまさかまったく同じベースを直前に買っていたとはな。ほんと、変わらない良さがない。
プレッシャーは敏感に感じ取るのに全然ニュータイプじゃないんだからせめて新しく購入するベースはホワイトにするとか裏設定ちっとは練り込めや。
久しぶりのスタジオ練習ではにかみながら
「最近、前よりずっと俺、楽天イーグルスが好き」
ってなんの報告だよ。そこはどう考えても音楽に関わる何かに違いないと感動の準備に入った俺の心の高まりに謝れ。
それにしても人生後半、今時これからあらためて日本のプロ野球にハマるってな、別にいいけど。。。
なんでお前の全てを飲み込む絶大なオーラ力、生涯現役と知人誰もが太鼓判を押す性戦士のエネルギーはことごとくバンドを避けて放出されるのか。
俺も現在過去未来、
どこかに松本の美点を見出そうと、もがいてはみたんだぜ。
でも、真夏の熱帯夜にエアコンなんて無い薄暗いあれやこれやで散らかり放題の松本の部屋行ってマッパの汗だくで酒のんでたら
天井近くまで積み上げられた怪しい雑誌の山が崩れて、いつ買ったのかわからない飲み残しのペットボトルが爆発した思い出とか
どーやってもいい感じのセピア色にならない。。。
あの時はその後の思い出も全てそれと酷似したものになるとは思わなかったから、下卑た笑いが止まらなかったけど、まさかに一生涯続くとは。
お前の罪を数えろのライダーも松本と言う人間を知れば数えられる程度の罪しか犯してない怪人なら許す。
普通は昔はセーフだけど今はアウトなもんなんだよな色々。昔もアウトで今もよりアウトの一発退場だから、このブログに書けないエピソードだらけで全然役にたたない、何もかも。
このブログにラーメンの食べ方書いてたけど、ラーメンの話も昔の地元のやつほぼ書けないだろ?
よし、「緊張が俺を抱きしめて離さない!」
はもーわかった。だがせめてアイコンタクトはしよう。演奏中は手元を見続け曲が終わったタイミングで俺と斎藤を素早くひとなめ見るのはアイコンタクトではありません。。。
そしてライブ中は不動で打ち上げで明るくなるのを尻上がりに調子を上げるとは言わないんだよアモン。ただ
ライブ前にどんな過ごし方しても確実に緊張する
って言うベース松本の言葉に説得力があるのもまた事実。
あの「酒ガブガブ作戦」で私とギター斎藤はペロッペロだったのに、同じかそれ以上飲んでる松本がパラシュート開かない顔ではーはー言いながら身じろぎ一つしない控室の空気よ。
最終的にライブ前の過ごし方
最終的にライブ前の過ごし方もほんのちょっとは場慣れするかもってことで
「ライブハウスにずーっといる」
が最多になったが、そうなるかな。
実のところ、自動車教習所の緊張はあそこだけのもんで今や緊張を持続する方が難しいの鑑みれば緊張克服の鍵が慣れなのは明らかですから。よーするに
腐るほど練習すれば解決するんですよ。
いやーわかっちゃいるけどやめられる。特に基礎練とか。「近道などない」そらそーよ。
自己啓発
そこで最近意を決し、kindleの読み放題で自己啓発マンガをたらふく読んでみました。どーにもこーにも練習さぼってしまう現状打破のヒントになるかと期待しましてね。
でも残念ながら、筋金入りのヘドロマンから言わせてもらうと自己啓発ってターゲットが根本的に間違ってる。
そんなね、ちょちょっと漫画本読んだだけで地道な努力を習慣化できる人間にそもそも自己啓発なんて必要ない。
ダイエットで悩む人に
食べなければ痩せるよって言う意味あります?
せめてロカボの焼きそばなら一日8個食べても標準体型維持できるし毎食焼きそばで飽きるから食べる量も減って自然に痩せるとか
それぐらい自堕落込みの減量プランじゃないと目標達成不可能な人用に自己啓発はあるべきですよ。
はっきり言いましょう、私はね、好きな物を好きな時に好きなだけ食べてゴロゴロしながら痩せたいんですよ!
・・・・なんですかその私でなければ現世に実体を留める努力を放棄しかねない眼差しは。
人間みんなそんなもんじゃないですか?
信じられないかもしれませんけど暴飲暴食が人生最後のモテ期を手繰り寄せることもあるんですよ。自慢になっちゃいますけど
一回り大きな男になってフェロモン出まくりなのか、女医さんから
「来月あたり飲みませんか?」
って今私、熱心に誘われてますウフフ。まいったなぁいくつになってもイケメンはイケメンで。
ああ飲むのは胃カメラね。。。
でも究極人間みんなそんなもんじゃないですか?ネットや雑誌に溢れる欲まみれの隙間広告見れば、飲むだけどころか見るだけで痩せるクスリ、
自動で腹筋シックスパックに割るブルブル、寝ている間に勉強してくれる睡眠学習と夢の商品枚挙に暇なし。
全てを前向きに捉える催眠術にかかり続ける
そして効果のほどはともかく、こと演奏に限ればここで問題になるのが
「ガンプライズム」
あれは優れた完成品が欲しいわけではなく、自分で作る達成感がキモじゃないですか。私が思うに演奏にもこの要素がかなりある。ではどうするか。
「全てを前向きに捉える催眠術にかかり続ける」
これでしょう。
疑う人にはかからないかもしれませんが、いくばくかの金を払い前つんのめりでかかりに行ってるわけですからがっつり深々とかかるんじゃないですか?
それとも私の場合、すでに手を抜くことに全身全霊で前向きだから効果ないんでしょうか。 (終)

コメント
普通はライブ前にテンション爆上がりで、ステージ上ではその実力を遺憾なく発揮するものですが、
我らラグドールズはライブ後の方が色んな意味で実力を発揮しているみたいです。
それはもう30年前から変わらないのですから、次回のライブのライブ後を、乞うご期待 笑